山川漬は400年以上前から鹿児島県山川地方に伝わる伝統漬物です。
山川地方は薩摩半島の南端に位置し、昔から大根の栽培が盛んな土地です。
冬でも霜がふらないため、大根の乾燥にも適しています。
この地に伝わる山川漬は、大根を冬の季節風に3~4週間さらし、水分を出来る限り抜き乾燥させてから漬始めます。
特徴的なのは乾燥させた大根に海水(塩水)をかけながら、杵でつく作り方です。
この作業により、大根の肉質を均一にし、味を全体になじませることが出来ます。
杵でついた大根は、スノコを敷いた壷に漬込むことから「つぼ漬」ともよばれていましたが、40年程前から両者は枝分かれし、旧来のカメ壺に漬けたものを「山川漬」、タンク漬けした後に、刻んで醤油漬にしたものを「つぼ漬」と呼ぶのが一般的となっています。
桜島大根は、鹿児島県の特産品で、平均の重さは6kg、大きな物では約30kgにもなります。
ギネスブックにも認定された世界一大きな大根です。
切干大根や、粕漬、直径の大きな千枚漬として親しまれています。
野菜をとるなら漬物で
野菜をとる時、サラダを思い浮かべる人は多いでしょう。
実は、漬物のほうが野菜の栄養を摂取しやすいのです。
サラダはレタスやキャベツ、きゅうりといった生で食せる淡色野菜が中心です。
一方、漬物は淡色野菜はもちろん、高菜やナスなど生では食べづらい緑黄色野菜を手軽に摂取できます。
緑黄色野菜は淡色野菜と比べ、抗酸化作用のあるカロチンを多く含み、ビタミン類や鉄、カルシウムなどの成分は淡色野菜の数倍を含有しているとされています。
また、漬物は水分を抜いて作られるので、生のものより体積が小さくなります。
その分、サラダよりも効率的に栄養を摂取できると言えます。
食物繊維もサラダより、楽にしっかり摂取できます。
この植物繊維をとることで、大腸がんになりにくいといわれています。
漬物は栄養面でもその摂取効率でもサラダよりも手軽に栄養を取りやすいのです。
漬物の咀嚼効果
たくあんや鹿児島の山川漬や桜島大根の漬物はポリポリ、カリカリとした食感が特徴的です。
漬物は野菜を脱水した食べ物ですので、歯ごたえの良い硬さを持っています。
この硬さがとても重要なのです。
硬いものを食べる時、咀嚼回数が多くなります。よく噛んで食べるということは、体に様々な良い影響を与えます。
・顎の発達・認知症予防・消化を助ける・唾液分泌による虫歯予防・脳の活性化…
など、色々あります。
漬物は栄養はもちろん、咀嚼によっても体に良い影響を与える健康的な食品なのです。
近年、山川漬や干し大根漬に、大量のギャバが含まれることも発見されストレス改善・生活慣習病予防にも効果が期待されています。